パートが厚生年金に入ると損?得?——保険料と将来の年金・給付を両面で
更新日:2026年7月20日
2026年10月の106万円の壁撤廃で、これまで社会保険に入っていなかったパートの方が新たに加入対象になるケースが増えます。「保険料を取られて損するだけ」と考えがちですが、負担だけでなく給付面のメリットも確かに存在します。この記事では両面を整理します。当サイトでは、厚生年金への加入を一方的に「損」または「得」と断定しません。
負担面:具体的に何が引かれるのか
社会保険に加入すると、給与から次の保険料が天引きされます(いずれも会社と本人で折半)。
- 健康保険料:標準報酬月額に協会けんぽの都道府県別の保険料率をかけた額の半分
- 介護保険料(40〜64歳の方のみ):同様に半分を負担
- 厚生年金保険料:標準報酬月額の18.3%の半分(本人負担9.15%)
目安として、月収10万円前後のパートの方であれば、月々1万数千円程度の保険料負担が新たに発生するケースが一般的です(保険料率は都道府県や年度によって変わります)。
給付面:受け取れるようになるもの
1. 将来の老齢厚生年金が上乗せされる
国民年金(基礎年金)だけの場合と比べ、厚生年金に加入して保険料を納めた期間・金額に応じて、65歳から受け取る年金額に厚生年金部分が上乗せされます。加入期間が長いほど、上乗せ額も大きくなります。
2. 傷病手当金
病気やケガで仕事を休み、給与が支払われない場合に、最長1年6ヶ月にわたり、おおむね給与の3分の2相当額が支給される制度です。国民健康保険にはこの制度が原則ありません。
3. 出産手当金
出産のために仕事を休んだ期間について、給与のおおむね3分の2相当額が支給されます。こちらも国民健康保険にはない、健康保険(被用者保険)独自の給付です。
4. 障害厚生年金
病気やケガで一定の障害状態になった場合、国民年金の障害基礎年金に加えて、障害厚生年金が上乗せされます。
結局どう考えればいいのか
目先の手取りだけを見れば、社会保険料の負担は確かに「マイナス」に見えます。しかし、以下のような方にとっては、給付面のメリットが負担を上回る可能性があります。
- 長期間パートで働く予定がある方(厚生年金の加入期間が長くなるほど将来の年金額が積み上がる)
- 持病があり、病気で長期間休む可能性を考えておきたい方(傷病手当金)
- これから出産を考えている方(出産手当金)
一方で、勤務期間が短い予定の方や、配偶者の扶養の範囲内で働くことを優先したい方にとっては、負担が先に立つケースもあるでしょう。どちらが正解ということはなく、ご自身のライフプランに合わせて判断することが大切です。年収の壁シミュレーターでは、社会保険に加入した場合の具体的な手取りの変化額を確認できます。
- Q. パートが社会保険に加入すると手取りは減りますか?
- A. はい。健康保険料・厚生年金保険料(労使折半分)が給与から天引きされるため、その分手取りは減ります。
- Q. 社会保険に加入するメリットは何ですか?
- A. 将来受け取る老齢厚生年金が上乗せされるほか、病気やケガで働けないときの傷病手当金、出産時の出産手当金といった給付を受けられるようになります。
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加入した場合の手取りを計算する →出典:厚生労働省「年収の壁」への対応/協会けんぽ・日本年金機構の公表情報(確認日 2026-07-20)
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