会社の配偶者手当・家族手当と年収の壁——就業規則の確認ポイント

更新日:2026年7月20日

年収の壁というと税金や社会保険の話が中心になりますが、実はもうひとつ、見落とされがちな「壁」があります。それが、配偶者の勤務先が独自に支給している「配偶者手当」「家族手当」です。この記事では、税金・社会保険の壁との違いと、確認すべきポイントを整理します。

配偶者手当は「会社が独自に決めるルール」

配偶者手当・家族手当は、法律で一律に定められた制度ではありません。企業が就業規則や給与規程で任意に設定している福利厚生であり、支給額も年収要件も会社によってバラバラです。多くの企業では、配偶者の年収が「103万円未満」であることを支給条件としてきましたが、これは長年「所得税の103万円の壁」に合わせて設定されてきた慣習によるものです。

2025年・2026年の税制改正で所得税の壁が103万円→160万円→178万円へと大きく動く中、この配偶者手当の基準額をどうするかは、企業ごとの判断に委ねられています。基準を178万円に合わせて引き上げる企業もあれば、130万円(社会保険の壁)に合わせる企業、あるいは従来の103万円のまま据え置く企業もあり、対応は一律ではありません。

なぜ「第4の壁」になり得るのか

配偶者手当の金額は会社によって様々ですが、月1万円〜2万円(年12万円〜24万円)程度支給しているケースが少なくありません。この手当が年収要件を理由に打ち切られると、税金や社会保険の壁とは別に、家計全体の手取りに影響します。

特に注意が必要なのは、配偶者手当の年収要件が、税制上の103万円の壁のまま据え置かれている場合です。国の制度では178万円まで所得税がかからなくなっても、会社の配偶者手当は103万円で打ち切られてしまう、というギャップが生まれる可能性があります。

確認すべきポイント

  • 配偶者(パートで働く方の配偶者)の勤務先の就業規則・給与規程で、配偶者手当・家族手当の支給条件を確認する
  • 年収要件が「103万円」「130万円」「178万円」のどれを基準にしているか、また改定予定があるかを人事担当に確認する
  • 手当が打ち切られる年収ラインと、税金・社会保険の壁のラインを合わせて把握し、シフト調整の際に考慮する

厚生労働省も、配偶者の収入要件がある配偶者手当について、女性の就業が進むなど社会の実情の変化を踏まえた見直しを企業に呼びかけています。とはいえ実際に見直すかどうかは企業次第のため、「自分の会社(配偶者の会社)はどうなっているか」を個別に確認することが欠かせません。

シミュレーターでの確認方法

年収の壁シミュレーターでは、「会社の配偶者手当・家族手当がある」を選択し、月額支給額を入力すると、配偶者手当が打ち切られた場合の影響額も含めて表示されます。税金・社会保険の壁と合わせて、家計全体への影響を確認しておきましょう。

Q. 配偶者手当は税金の壁と同じ基準ですか?
A. いいえ。配偶者手当・家族手当は会社が就業規則・給与規程で独自に定める制度で、税金や社会保険の壁とは異なる基準(多くは103万円)を使っている場合があります。
Q. 配偶者手当の基準額は変わりましたか?
A. 法律で一律に決まっているものではなく、会社ごとに異なります。国の税制改正に合わせて基準を見直す企業と、従来の103万円のまま据え置く企業の両方があります。

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出典:厚生労働省「配偶者の収入要件がある『配偶者手当』の在り方の検討」(確認日 2026-07-20)

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